みなさん、水族館は好きですか?
水族館は普段見れない海や川、水辺の生き物が見れてワクワクするので筆者は大好きです。
また、暑い季節や寒い季節関係なく、だいたいは天候の影響も受けずに快適に見て回れるのも魅力ですよね。
葛西臨海水族園がテレビ番組で紹介されていて、調べたら自宅から電車で30分以内で行ける距離だということがわかったため「行かない理由がない!」ということで行ってきました。
水族館のプロではありませんが、楽しめるな~と思ったポイント等をレポートしたいと思います。
思いのほか記事のボリュームが増えてしまったので、葛西臨海水族園の【駐車場・入場料・利用案内編】と【歴史・見どころ編】に分けさせていただきました。
今回は【歴史・見どころ編】です。
目次から気になる項目だけでも選んで読んでいただけると嬉しいです。
1.葛西臨海水族園の歴史
葛西臨海水族園公式ホームページ: https://www.tokyo-zoo.net/zoo/kasai/history.html
葛西臨海水族園は、東京湾岸地区整備事業の一環として上野動物園開園100周年を記念して計画され、「海と人間との交流の場」になることを目指し、1989(平成元)年にオープンしました。
葛西臨海水族園が上野動物園と関係していたとは知りませんでした。
せっかくなので、その経緯について詳しく調べてみました。
日本初の水族館「うをのぞき」
上野動物園は1882(明治15)年開園の、日本初の動物園です。
上野動物園では同じく1882(明治15)年、「うをのぞき」という観魚室を日本で初めて開設しました。
今でこそ主流となった「アクアリウム」という言葉ですが、明治時代の日本ではまだ馴染みが無く、「うをのぞき」と和訳して施設名がつけられたんだそうです。
(す〇ひろがりず感…)
日本の水族館は上野動物園から始まったと言えます。
この「うをのぞき」の展示、初めは淡水生物が中心だったそうですが、やがてサンショウウオやカエル・ヘビなどの両生類や爬虫類の展示も始まったようですよ。
うをのぞき→大水族館→葛西臨海水族園
1952(昭和27)年には上野動物園開園70周年を記念して「海水水族室」が開設、1964(昭和39)年には開園80周年記念として「大水族館(水族爬虫類館)」が開設されました。
上野動物園の水族館では閉鎖環境における海の生き物飼育の試験運用など、長らく重要な業務が行われてきました。
こうしたリニューアルを経て1989(平成元)年、開園100周年を機に上野動物園の水族館の生き物たちは葛西臨海水族園へ移管されたそうです。
2.葛西臨海水族園の見どころ
葛西臨海水族園のスポットごとの魅力をご紹介します!
大洋の航海者:サメ
ガラスドームの中に入り、エスカレーターを降りて最初に目に入るのが「大洋の航海者:サメ」という展示コーナーです。
こちらではアカシュモクザメやマイワシの群れの遊泳を見ることができます。
サメの形も色々あって多様性を感じました。
アクアシアター
さらに階段を下りて1階に進むと、一面パノラマのような大迫力の水槽が広がります。
この水槽はドーナツ型になっており、その内側から映画のスクリーンのように一面を眺めることができるのでアクアシアターと呼ばれています。
実際にクロマグロが群れで泳ぐ姿は迫力があり、近距離で撮影するのが困難なほど高速でした。
世界の海
太平洋やインド洋、北極海など、海洋ごとに温度やサンゴなど環境を変えた展示が楽しめます。
水温計も掲示してあるため、環境の違いを視覚的にも理解しやすいです。
深海の魚も見れるので、今の水族館の技術はすごいな~と感心しました。
渚の生物
「波が起き、潮が満ち引きする」水槽になっており、波に揺られる魚たちを見ることができます。
少し進んだところにある「しおだまり」には、小さな魚や貝の仲間が集まっています。
横から観察できる波打つ水槽って珍しいですよね。
ペンギンの生態
国内最大級のペンギン展示施設で、フンボルトペンギン、ミナミイワトビペンギン、オウサマペンギン、フェアリーペンギンと4種類ものペンギンを見ることができます。
こんなに種類豊富なペンギンが一堂に会していると、大きさや形の違いがはっきりと分かりやすくて良いですね。
海藻の林
世界最大と言われているジャイアントケルプをはじめ、カリフォルニアの海に棲む生き物を見ることができます。
波も再現されているので、水流で漂う海藻や魚の動きを楽しめます。
ジャイアントケルプ(日本名:オオウキモ)は50m以上にまで成長することもあるようで、実際に見るとデカすぎて口を開けて見上げてしまうほどでした。
東京の海
小笠原、伊豆七島、東京湾など様々な環境の展示を楽しむことができます。
こうした東京の海に特化した展示を見ることができるのは、東京湾岸地区整備事業の一環として建てられた葛西臨海水族園ならではですね。
2階にあるキャットウォークでは干潟で見られる小さな生き物を間近で観察することができます。
水槽のどこにいるかな?と目を凝らして探してみるのも楽しいですね。
海鳥の生態
エトピリカ、ウミガラスといった海周辺に棲む鳥を見ることができます。
岩場の上だけでなく水中を泳ぐ姿までじっくり観察できる水槽となっていますよ。
冬と夏で羽が換わるようなので、季節ごとに来館して違いを見比べてみてもおもしろそうです。
水辺の自然
田んぼや池沼、溜池、渓流など、自然が豊かだった頃の東京周辺の水辺が再現されているそうです。
別館に移動するまでの道のりに両生類に関するクイズがあるので、答えを考えながら歩くのも良いですね。
「水辺の鳥」コーナーでは餌をとるクロツラヘラサギ、タンチョウやコウノトリを見ることができます。
(閉館時間ぎりぎりだと見られないようです。)
私が行ったときにはタンチョウが1羽だけ奥の方におり、深夜のワンオペコンビニ店員みたいでした。
3.おすすめの展示10選!
筆者が独断と偏見で選んだお気に入りの生き物をご紹介!
うんちくも調べてみたので、水族館でお子さんや恋人に披露してみてはいかがでしょうか?
その1 セニョリータ
スズキ目ベラ科
名前がいいなと思いました。
セニョリータはスペイン語・ポルトガル語で未婚女性への呼びかけとして使われる言葉だそうで、要は「お嬢ちゃん」ってことみたいです。名前の由来は不明だそうです。
尾びれと背びれの付け根の黒い模様がチャームポイントですね。
名前のインパクトがありますが、葛西臨海水族園以外では見たことが無い気がします。
その2 ブラックアイゴビー
スズキ目ハゼ科
地面でドーッ!と尾びれを使い砂ぼこりを起こしていたのが健気でかわいかったです。
いわゆる性転換をする生き物で、はじめメスでも一定の大きさに成長した個体は4週間ほどでオスになり、縄張りを持ちハーレムを作るんだそうです。性転換をする生き物は魚やエビ、貝の他、植物の仲間でもいるそうですよ。
なんであんなに一生懸命に砂ぼこりを立てていたんだろう?と調べてみましたが、ハゼ科の仲間には口に砂を含んで、砂の中の生物を捕食する性質を持つ子がいるんだそうです。また、砂を動かすことでコケの繁殖を防ぎ微生物を取りやすくする狙いもあるんだとか。水槽のお掃除係としてハゼ科の仲間を飼う人もいるようです。
その3 メガネモチノウオ
スズキ目ベラ科
やっぱりでっかい魚を見るとテンションが上がりますよね。
オスで大きいものだと2mを超すものもいるらしい…!
頭~顔の模様もなんだかデザインされたみたいで良いですね。神様のセンス。
名前の由来は、目の周りの黒いラインが眼鏡に見えるからなんだそうです。
ちなみにこの種もメスからオスへ性転換することがあるそうですよ。
その4 タマカイ
スズキ目ハタ科
こいつもクソデカ魚でした。手前で見ているちびっこよりデカかったです。
一般的に1.9m、最大2.7mの記録があり、オセアニア地域では「ダイバーを丸飲みしてしまう」とも噂されているほどの大迫力です。
国内では養殖もされており、主に沖縄では天然ものが水揚げされ食用になっているそうです。
その5 バーバーパーチ
スズキ目ハタ科
優しいペールカラーが綺麗でお気に入り。
成長するにつれオスは体全体に青みがかり黒いライン状の模様が出て、メスは目の下辺りに青く細いラインが入るんだそうです。
写真のバーバーパーチは全体的に淡いピンク色をしているので、これからもっと成長してオスなのかメスなのかわかるのかも知れませんね。
その6 ニセゴイシウツボ
ウナギ目ウツボ科
どこにいるかな~と見ていたら、岩陰から顔をにゅっと出してくれました。
ウツボのなんとも言えない表情、喉?のタプタプ感が好きで、水族館に来ると率先して探す生き物です。
この子は白地に黒い水玉がオシャレです。漢字で書くと「偽碁石」ウツボ。この黒い斑点模様を碁石と表現したんですね。
老成すると白地がベージュ系になるため、昔は老成個体がニセゴイシウツボとはまた別のウツボだと思われて、ゴイシウツボという名前も付けられていたそうです。
その7 ウィーディシードラゴン
トゲウオ目ヨウジウオ科
タツノオトシゴよりさらに「な、なんじゃこりゃー!」という見た目の衝撃。
異世界の生物というか…SIRENっていう昔やったホラーゲームに出てくる「堕辰子」というキャラクターを思い出しました。
トゲウオ目の中にはタツノオトシゴやヘコアユなど、一般的な魚類とはかけ離れた、独特な体型をもつ種類が多く含まれるそうです。
ヨウジウオ科の仲間が堕辰子のモデルになっているなんてことありませんかね?
その8 アークティックスタッグホーンスカルピン
カサゴ目カジカ科
ハゼとかオコゼとか、こういう地面にいるお魚良いですよね。
胸びれがお手手みたいでかわいいです。
カサゴ目は眼下骨棚(英: suborbital stay)と呼ばれる骨格上の特徴だけを根拠としてまとめられたグループだそうです。魚類の目の中ではスズキ目(約1万種)、コイ目(約3,200種)、ナマズ目(約2,800種)、カラシン目(約1,600種)に次いで5番目に大きな一群なのですが、とりあえず一個の特徴を持つだけで一緒くたにされたので、カサゴ目のそれぞれの魚の起源は一緒じゃない可能性があるそうです。それでも、生物を分類する学者さんはすごいなと思います。
その9 オウサマペンギン(の赤ちゃん)
ペンギン目ペンギン科
ペンギンについて説明するお姉さんの後ろで「雛ですが何か?」とでも言いたそうな態度で、ひと際存在感を放っていたデカ赤ちゃん。こんなに大きくなっても、あくまで雛のもこもこ羽毛なのがやばいですね。
オウサマペンギン(キングペンギン)はコウテイペンギン(エンペラーペンギン)とどう違うのかな?と思っていたのですが、コウテイペンギンに次いで2番目に大きい種類なんだそうです。雛の姿もコウペンがグレー・白・黒のカラーリングなのに対して、オウサマペンギンは全身茶色でキウイフルーツのようです。
冬の寒さを越すのが過酷なのと、地球温暖化による餓死のリスクが高く、自然界で大人になれるのは相当難しいことなんだそうです。SAVE EARTH!
その10 ヒメイカ
頭足綱ヒメイカ科
東京の海コーナーにいた、ちっちゃ~いイカさん。
目を凝らしてやっと見つけたらなんだかラッキーな気分になります。
ヒメイカ属は最大でも3cmほどにしかならず、世界最小レベルのイカなんだそうです。
まとめ
葛西臨海水族園の歴史、見どころスポット、おすすめ生物についてご紹介させていただきました。
葛西臨海水族園独自の展示も多く、一般入場700円で見どころ満載、コスパ抜群の水族館だということが分かりましたね。
展示の多さゆえ周回時間はかかりますので、「デートのついでにちょこっと立ち寄ってみよう」などのスタイルだと時間が足りなくなる可能性はありますが、「がっつり水族館メインで楽しみたい!」「生き物や自然をたくさん見たい!」という方にはとてもおすすめです!
来訪者の声